介護をされているご家庭や、中高年のご夫婦の暮らしでは、日常的に尿取りパッドを使用する場面も多いかと思います。
しかし、もしそれを「うっかり」トイレに流してしまったら…。
一見流れたように見えても、排水管の奥では大きな詰まりが進行しているかもしれません。
今回は、松戸市にお住まいのご夫婦からご相談いただいた「尿取りパッドをトイレに流してしまったことによる詰まり」の修理事例をご紹介します。
似たような状況でお困りの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
トイレに尿取りパッドを流したら危険です!
尿取りパッドは、吸水性に優れた素材で作られています。
表面にはやわらかな不織布が使われており、肌への刺激を抑えた作りです。内部には高分子吸収体(吸収ポリマー)が組み込まれ、水分をすばやく吸収・保持します。
さらに、吸収層にはセルロース繊維などの綿状素材が使用され、尿をしっかり閉じ込める構造になっています。
そんな繊維でできた尿取りパットを水に流してしまうと…
・吸収ポリマーが水を含んでゲル状に膨張 → 排水口を塞ぐ
・排水管内部に引っかかり、他の異物(汚物やトイレットペーパーなど)が絡まりやすくなる
・床下配管まで到達すると、修理には便器の取り外しや特殊工具が必要になることも
等々…ラバーカップや市販の詰まり解消剤では太刀打ちできない「重度の詰まり」になるケースが多いため、注意が必要です。

「流せるタイプの尿取りパット」でも〇〇なら流さない、が安心
近年では「トイレに流せるタイプ」の尿取りパッドも市販されています。
一般的に、流せるタイプは水に溶けやすい素材を使用し、一定時間で分解される設計がされていますが、通常の尿取りパッドは高吸水性ポリマーや繊維が水に溶けず、そのまま残ってしまいます。
ただし、流せるタイプであっても排水管の形状や水圧、築年数など住宅環境によっては繊維が引っかかり、結果として詰まりを招くことがあります。
異物がわずかでも残れば、時間差でトラブルを起こす恐れもあるため、「念のため流さない」のが最も安心です。
【当社事例ご紹介】松戸市で尿取りパッドを流したつまり修理
では、実際にどのような状況で詰まりが起き、どのように解消されたのかを、具体的な修理事例をもとにご紹介します。
ご相談のきっかけ
ご依頼をいただいたのは、松戸市内にお住まいの中高年のご夫婦の奥さまからのお電話でした。
「主人の介護中に使っていた未使用の尿取りパッドを、うっかりトイレに流してしまったんです。
その時は普通に流れたように見えたのですが、翌朝になって水を流すたびにゴボゴボと変な音がして、とうとう流れなくなってしまいました…」
ご自宅は築30年以上の木造戸建てで、トイレは1階に洋式タイプが1台のみ。
日常生活に支障が出てしまっているため、すぐに修理のご依頼をいただきました。
尿取りパッドはどこに?調査開始
初期調査(目視+通水チェック)
まず現場に到着後、以下のような調査を行いました。
・便器に水を流すと、ごぼごぼという音を立てながら水位がゆっくり上昇し、なかなか流れていかない
・トイレ周辺の床や排水桝には水漏れや異常は見られない
・ラバーカップを用いて複数回試すも、水位はまったく下がらず、圧がかかっている感触がない(=詰まりが抜けていない)
これらの状況から、詰まりは便器の奥、または床下の排水管内にあると判断しました。
排水管スネーク(ワイヤー式工具)を使った詰まり除去の試み
最初に使用したのは「排水管スネーク」と呼ばれる、直径1cmほど・長さ数メートルの柔軟なワイヤー工具です。
排水管の奥まで挿入でき、回転させながら異物を絡めとる仕組みです。
・ワイヤーを便器奥に挿入し、約40cmほどの位置で異物に接触
・ 前後に動かすと、ゲル状に膨らんだ尿取りパッドの「半分程度」が引き出されました(白い繊維質と吸水ポリマーが絡んだ状態)
ただし、残りが奥に詰まっており、排水は正常には戻らなかったため修理は次の段階へ。
実際の修理工程
異物の完全除去のため、便器の取り外しを決断。
1・便器の取り外し
・止水栓を閉めてタンク内の水を抜き、便器内部の水もスポンジとポンプで完全に除去
・ 給水ホースを外し、便器の固定ボルトを慎重に外す
・便器本体をゆっくりと持ち上げ、床面の排水口を確認
すると、排水口に変形した尿取りパッドの本体が詰まっているのを発見。
水分を吸ったパッドは、もとのサイズの5倍ほどにまで膨らんでおり、排水路を完全に塞いでいました。

2・尿取りパッドを慎重に除去
60cmほどのトング型の長柄工具を使用し、便器下に詰まった尿取りパッドを少しずつ崩すように動かしながら慎重に引き出す。繊維が排水管に残らないよう、丁寧に…
3・洗浄・点検
便器と床の排水管をつなぐ接続部である排水フランジ内に残る吸水ポリマーの一部や分解されきらなかった繊維片、ヌメリ汚れなどを丁寧に洗浄・点検
4・パッキンの交換
劣化していた便器用パッキンを新しいものに交換
5・便器を元の位置に設置
便器を元の位置に設置し、固定ボルトとシリコンでしっかり密着
6・水圧テスト
給水ホースを再接続し、数回連続で水を流し、水位の変動や逆流音がないかを確認

修理にかかった時間はおよそ2時間半、費用は部品・作業料込みで税込38,500円となりました。
お客さまからのお声
作業後、ご依頼主の奥さまから次のようなお言葉をいただきました。「まさか、こんなに詰まっていたなんて…。本当に驚きました。てっきり流れたと思っていたのに…。でも、丁寧に作業してくださって、また安心して使えるようになってホッとしています。」
こうした“ちょっとした失敗”は、決して珍しいことではありません。しかし、早めに正しく対応すれば、排水管の完全閉塞や床下漏水、便器の再設置が必要になるケースなど、大きなトラブルになる前に解決できます。
しまった!もし誤って流してしまったら…
尿取りパッドをうっかりトイレに流してしまった場合、慌てずに次の対処を行うことで被害の拡大を防ぐことができます。
以下に、自宅でできる初期対応のポイントをご紹介します。
止水栓は閉める
まず最初に行うべきは、トイレの止水栓を閉めて水の供給を止めることです。
これにより、万が一詰まりが起きていた場合でも水が溢れ出すのを防げます。
止水栓はトイレのタンク近くにある金属製のつまみが目印です。
目に見えて取れそうなら衛生面に気を付けて拾い上げる
便器内に尿取りパッドが見えており、手で届く範囲であれば、使い捨て手袋を着用のうえ取り出しましょう。
雑菌やウイルスへの対策として、ゴム手袋や消毒液の使用を忘れずに。
無理に引っ張らず、少しずつ動かして取り出すのが安全です。
目に見えない位置にあれば業者を呼ぶ
もし尿取りパッドが見えない位置に流れ込んでしまった場合は、無理にラバーカップなどで押し流そうとせず、専門業者に相談してください。
無理な対処は詰まりを悪化させ、修理費用がかさむ原因にもなります。
まとめ
尿取りパッドは水に流せるタイプであっても、排水環境によっては詰まりを引き起こす恐れがあるため、「流さない」が鉄則です。万が一流してしまった場合は、止水や異物除去など初期対応が重要です。
見えない位置に詰まった場合、無理な自己処理は逆効果となることも。
今回ご紹介した事例のように、早めの対応でトラブルを最小限に抑えることが可能です。
当社では経験豊富なスタッフが状況を丁寧に見極め、迅速かつ的確な処置を行います。
小さな異変でも見逃さず、安心できる暮らしをサポートいたします。
もし同じようなお困りごとがありましたら、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
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